1月の便り

「武蔵の構え」
新年おめでとうございます。
今年も皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
大泉剣児会は、今年も剣道の習練を通じて、剣児及び会員の皆様に生きる希望と生き抜いていく力をつけるため、活動を開始いたします。
今年は各大会の当番も無く、日頃の稽古に集中できる環境です。おおいに汗を流し、心身ともに鍛錬しましょう。
ここ数年の稽古目標それぞれ「残心」「正しい構え」「左拳左腰」「腹と中心」として、日々の稽古をしてきました。いかがでしょうか。身に付いてきましたか?
今まで培ってきた技を本番で生かすためには平常心で臨まなくてはなりません。数年前に行なわれたワールドベースボールクラッシックの決勝戦で、最終回2アウト2.3塁の打席に立った(それまでノーヒットだった)イチロー選手が、センター前に放ったヒットで逆点、日本が優勝し、二本中が大いに沸いた記憶は皆さんも残っていることと思います。あのような異常な雰囲気の中での打席に立った選手は、ものすごいプレッシャーで頭が真っ白になり何を遣ってるのかわからなくなると思います。しかしイチロー選手はいつものように、打席に入る前から打つまでの一連の決った動作で平常心を保ち、見事に結果を残しました。これは、宮本武蔵の言う平常心と同じだと思います。「平常時も戦時も少しも変わる事無く、精神を広く、素直に、偏らぬよう、まんなかにおき、静かにゆるがせ、静かなゆるぎの止まることのないように、よくよく考えなくてはならない。」『五輪の書 水の巻』稽古時も試合時も分け隔てなく鍛錬する事が大切ということです。イチロー選手の打席に入るまでの構えと同様に、自分の構えのヒントとして「武蔵の構え」があります。これを今年の稽古目標とします。
「姿勢については、まず顔をうつむかず仰向かず、曲げず、視線を乱さず、額にしわを寄せず、眉のあいだにしわを寄せて、目の玉を動かさずまたたきもしないように樹を配り、目は少しすぼめるようにしておく。顔つきはゆったりと見えるように、鼻筋をまっすぐに立て、顎はこころもち突き出すぐらいがいい。
首の後ろの筋が垂直になるようにうなじに力を集め、眉から下の全身に等しく力が行き渡るようにする。
両肩を落とし、背筋をまっすぐに尻は出てないようにする。
膝から足先まで力を入れ、腹を張って腰が前屈みにならないようにせよ。」
以前、ある八段の先生に稽古をつけていただいた時に、その先生がこの構えを取っていらっしゃいました。なんだか変わった構えだな〜を思いながら打込んだ途端にズンと重い面を頂戴しました。実際に自分でこの構えをしてみますと、心が静かになり、相手の動きがよく見え、自分の技も鋭さが増すような気がしています。
宮本武蔵が言っています。「よくよく工夫すべし」です。
皆さんも是非この構えを今年一年で自得し、試合や審査時に、平常心で望めるよう期待します。

会長 松本 雅紀
剣児会だより | comments (0) | -

comments

comment form

プロフィール
新着記事
カテゴリー
コメント
カレンダー
剣児会QRコードfb
その他
Thanks!Access.